エネルギーの豆知識

SDGs(エスディージーズ)の目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」をわかりやすく解説します

こんにちは、エネカリオンラインの編集長の内藤義久です。

SDGs(エスディージーズ)の中でもエネルギーについて具体的な目標が記載されている目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」。今回の記事ではこの内容を説明をしていきたいと思います。SDGsってなに?という方はこちらの記事を先に読んでください。

「エネルギーをみんなに」ってどういうこと?

日本では、ほとんどの方が電気・ガス・ガソリンなどのエネルギーを使用する事ができますが、世界ではエネルギーを自由に使うことができない人たちがいます。

国際開発センター(IDCJ)によると、世界人口の5人に1人(約15億人)が電力を使用できない状態で暮らしているとされています。また、30億人以上の人が固形燃料や灯油などを利用して料理をしたり暖をとっているとのことです。このように、現時点でエネルギーの使用ができない方や、エネルギーの選択肢が限られる方はまだまだ沢山いますので、「エネルギーをみんなに」自由に使えるようにすることは急務なのです。

また、現時点だけではなく将来のエネルギー使用量についても対策を施す必要があります。それは、エネルギーの使用量は、人口の増加や経済成長に影響を受けるからです。

家族が増えれば、自宅の電気使用量も増えて電気代も上がってしまうように、人口が増えればエネルギー使用量も当然増えてきます。日本では人口減少がニュースになりますが、世界全体で見ると人口は増え続けており、2019年時点で世界人口は77億人となっています。2000年は時点では60億人でしたので、この20年で約30%も増加をしている計算になります。人口の増加はまだまだしばらくは続くとみられているため、エネルギーの使用量も増加していきます。

経済成長が進むと多くの産業でモノの製造・生産が増加します自然とエネルギー使用量は増えてゆきます。その理由は、経済の規模が大きくなれば、人やモノの移動も多くなりますので、
輸送するために飛行機、船、電車、自動車などを使う機会も増えガソリンや電気などのエネルギー使用量も増えてくためです。

こちらも日本の外に目を向けて見ていきたいと思います。経済成長の指標として国内総生産(GDP)というものがあります。日本のGDPは、ここ20年で5兆USドル前後で推移しており、大きく経済成長をしているとはいえませんが、世界に目を向けると開発途上国とされていた国がここ数年で目覚しい経済性成長をみせているという例はいくつかあります。

例えば、インドネシアの2009年のGDP(国内総生産)は5,396億ドルでしたが、2018年には約2倍となる1兆,422億ドルとなっています。さらに、2030年を過ぎたあたりでインドネシアのGDPは日本のGDPに並ぶと予想されているものもあります。

このように、世界規模では人口や経済成長によるエネルギー需要が増加傾向にあり、それを満たすために「エネルギーをみんなに」供給することが重要となっているのです。

しかし、需要を満たせるのであれば、どのようなエネルギーでも良いのかというと、そうではありません。そこが「そしてクリーンに」という部分に掛かってきます。

「クリーンなエネルギー」ってなに?

私たちが生活に使うエネルギーの多くは化石燃料から作られています。化石燃料というのは、石油・石炭・天然ガスなどのことを指し、火力発電所で電気を作るための燃料として世界中で多く使用されています。しかし、化石燃料を使い続けるということは、持続可能な社会をつくる上で大きな問題があります。

それは、化石燃料で電気を作る過程で二酸化炭素(Co2)など大量の温室効果ガスを発生させるからです。

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Co2などの温室効果ガスは、地球温暖化を引き起こす原因となっています。温室効果ガスの排出はエネルギーに限った問題ではありませんが、エネルギーが起源となる排出量は、温室効果ガス全体の中で多くの割合を占めるため、減らす必要があります。

また、化石燃料は埋蔵されている数量が限られていますので、使い続ける事で資源が枯渇し、将来の世代が資源を使うことができなくなる可能性があると考えられています。

そこで、化石燃料に代わるクリーンなエネルギーが注目されています。それは「脱炭素の再生可能エネルギー」のことを指します。脱炭素というのは、二酸化炭素(Co2)などの炭素を排出しないエネルギーのことです。そして、再生可能エネルギーというのは太陽光や風力などの自然の力を活用して作られる電気のことをいい、これらのエネルギーは、一度使っても無くなることがなく再生して使うことができるために、再生可能エネルギーと呼ばれています。

2つのキーワード。「再生可能エネルギー」と「省エネルギー」

「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」について、大枠のイメージはつかんでいただけたでしょうか。それでは、具体的にターゲットについてみていきたいと思います。目標7のターゲットは以下の5つです。

7.1 2030 年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを 確保する。 
7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅 に拡大させる。
7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。 
7.a 2030 年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い 化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するた めの国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資 を促進する。
7.b 2030 年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び 小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギー サービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

これらのターゲットを要約すると以下の様になります。
・7.1は、すべての人にエネルギー(電気)を使えるようにすること
・7.2は、再生可能エネルギーの普及拡大
・7.3は、省エネルギーの促進
・7.aと7.bは7.1〜7.3のターゲットの目標達成をするための支援や、仕組みの整備

主なターゲットは7.1〜7.3の3つなのですが、達成するために必要なアクションは2つです。それは「再生可能エネルギー(renewable energy)」と「省エネルギー(energy saving)」です。
これらは7.2と7.3で直接言及されています。7.1には関係の無いように見えるかもしれませんが、そうではありません。なぜなら、全ての人に電気を届けるためには、発電所が必要になるからです。
ただし、そのために化石燃料を使用する大規模な火力発電所を建設して、そこから大量の電気を送ることは正しいアクションではありません。現実的なアクションとして必要なのは、電気を使用することのできない地域に、太陽光発電所や風力発電所などの再生可能エネルギーの発電所をいくつか設置し、そこから電気を送ることです。

しかしながら、再生可能エネルギーの発電所は、火力発電所のように大量の電気を一気に作り出すことはできませんので、必然と使う側にも電気使用量の効率化、つまり省エネルギーが求められるのです。

このような考え方は、食品などの地産地消の取り組みに非常に似ています。その地域で採れた野菜を、トラックなどを使い何百キロも先のスーパーに並べるのではなく、地域で採れた野菜は、その地域で販売し消費をしていく。そうすることで、無駄な輸送コストの削減や、輸送時に排出するCO2の削減もできます。そして、その地域の経済にお金がまわるようになります。

エネルギーも同じです。電気をとどけるために、莫大なお金をかけて電線を敷設し何千キロも先に電気を送っているというのは現状は、世界共通です。遠くに電気を送ることは、当然ロスも発生しますので、発電所で100の電気を作ったとしても、実際に使う場所についた場合には95になっていて、5は電気を送る過程で無くなり、無駄なコストも発生してします。もちろん、すぐに変えることはできませんが、これから持続可能な社会を実現するためのエネルギーにあり方については、再生可能エネルギーの地産地消という考え方も求められてきます。

どうでしたか。SDGsの目標7について、少しは理解が進みましたでしょうか。参考としたサイトのリンクは以下に貼っておきますので、さらに詳しく知りたい!という方は見てみてください。

また、再生可能エネルギーや省エネルギーについては、今後このコラムでも詳しく書いていきます。次回は目標13の「気候変動に具体的な対策を」について書いていきたいと思いますので、楽しみにしていてください!

目標7国際開発センター(IDCJ)
2000年の世界の人口
2019年の世界の人口と今後の見通し
インドネシアのGDP
世界の電源構成、再エネの比率
日本の電源構成

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